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松島 怜達; 佐藤 史紀; 齋藤 恭央; 新 大軌*
Proceedings of 3rd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2018) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/10
東海再処理施設では、発生する低放射性の液体廃棄物及び固体廃棄物を処理する施設としてLWTFを建設し、コールド試験を実施している。本施設では、当初、液体廃棄物の処理に伴って発生する核種分離後の硝酸廃液に対し、ホウ酸塩を用いて固化体とすることとしていた。しかし、現在は、環境負荷低減のために廃液内の硝酸根を分解する必要があり、硝酸塩を炭酸塩に置換した後、セメント固化体とする計画として、設備導入に向けた検討を進めている。現在、この廃液に対するセメント固化技術開発として、高炉スラグ(BFS)を主成分としたセメント材の適用検討を行っている。本発表では実規模(200Lドラム缶スケール)で試験を行った結果についてまとめたものを報告する。
伊藤 義之; 松島 怜達; 佐藤 史紀
QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 69, 2018/03
東海・再処理施設の低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、低レベル放射性廃液をセメント固化し廃棄体を作製することを計画している。本研究では、作製したセメント固化体からの水素発生量を検討するため、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所のコバルト60線照射施設にて、セメント試料の線照射試験を行い、水素生成G値を測定した。その結果、スラリ固化体(充てん率1050wt%)のG値は、約0.03(n/100eV)であり、スラリ廃液を充てんしていない場合に比べて、およそ半分に低下した。硝酸イオンは、水素生成を抑制する効果があり、スラリ中に含まれる硝酸塩の影響でG値は低下したと考えられる。また、炭酸塩固化体(充てん率10wt%)のG値は、約0.14(n/100eV)であったが、20wt%や30wt%の炭酸塩固化体では、それよりも低いG値であった。XRD結果から、塩の充てん率が高くなるほど、NaCOを含んだセメント生成物(Pirssonite)が多く見られ、NaCOのG値は、CaCOよりも小さいため、20wt%や30wt%の炭酸塩固化体のG値は小さくなったと考えられる。
中山 卓也; 川戸 喜実; 大杉 武史; 嶋崎 竹二郎; 花田 圭司; 鈴木 眞司; 榊原 哲朗; 中澤 修; 目黒 義弘
JAEA-Technology 2014-046, 56 Pages, 2015/03
日本原子力研究開発機構では、保有する原子力施設等の研究開発活動で発生した放射性の可燃性及び難燃性廃棄物を、減容のため焼却処理をしている。焼却処理により発生した焼却灰はセメント固化して処分する計画としている。焼却灰は各拠点で発生するが、焼却炉型や廃棄物により特徴が異なるため、セメントの固化条件を設定するための基礎試験を拠点毎に行い、データを取得する必要がある。また、セメント固化試験においては、共通に評価すべき項目があるため、統一した手順で試験を進めていくことが重要である。本手引書は、セメント固化処理設備の設計に向けた基礎的なデータ取得を計画する際に、試験方法や条件設定の参考として利用するために作成した。焼却灰のセメント固化試験において評価すべき項目として、法規制において廃棄体に求められる要件について整理し、一軸圧縮強度や流動性などの技術的な7つの評価項目を抽出した。試験を計画する際に必要となる焼却灰, セメント, 水, 混和材料の選定方法の項目、試験固化体の作製手順の項目及び膨張、一軸圧縮強度、溶出量等の評価の方法の項目については、これまでの知見から注意すべき点を記載した。同時に、固化条件の最適化に向けた試験フロー及び調整の指針についてまとめた。最後に、各拠点でセメント固化試験に着手する際の助けとなるよう、目標とする固化条件を満足する固化可能な範囲の目安及び固化技術開発の課題について取りまとめたものである。
福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2000-030, 54 Pages, 2000/02
100%(乾燥密度1.6g/cm)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=36付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。
福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2000-029, 36 Pages, 2000/02
100%(乾燥密度1.6g/cm3)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm3)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=36付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。
入矢 桂史郎*; 久保 博*; 黒木 泰貴*; 向井 悟*; 北尾 秀夫*; 石原 義尚*; 根山 敦史*
PNC TJ1449 96-001, 379 Pages, 1996/03
TRU廃棄物処分システムの人工バリア材として想定されるセメント系材料とベントナイトの核種移行にかかわる化学的評価を行うために、以下の研究を実施した。1.人工バリア材の変質挙動に関する研究として、先ず、各種セメントの特性及びセメント硬化体の化学的性質に関する調査を行い、TRU廃棄物処分場に適したセメント系材料の選定を行った。また、コンクリート間隙水の化学的変遷挙動を解析的にフィードバックできる促進試験法を開発した。さらに、ベントナイトの変質について、pH及び温度による促進試験を実施した結果、ナトリウム型からカルシウム型への転移、C-S-H系化合物の生成が認められた。2.カルシウム型化ベントナイト中の核種の吸着データを取得するために、以下の研究を実施した。(1)高pH、低Ehでの核種の化学形態をプルベー線図に基づいて推定し、雰囲気に依らず安定な核種、種々の酸化状態をとる核種を明らかにした。(2)カルシウム型化ベントナイトに対するCs、Iの分配係数を、雰囲気制御下においてバッチ法により、測定した。(3)圧縮ベントナイトを用いてH-3、Cs-134、I-131、Np-237の拡散実験を実施し、見かけの拡散係数を求めた。その結果、Ca型とNa型でトリチウムの拡散係数はほぼ同じであった。また、CsとNpの拡散係数は、Na型よりもCa型の方が低めであったが、その差は1桁以内であった。3.TRU廃棄物の処分システムの挙動のうち、化学反応と物質移行現象を対象として、前年度に改良した解析コード(TRACE-94)について、複数鉱物に関するコンクリート/水相互作用ならびに高速モデルが取り扱えるようコードの改良、改良したコードの数値的な精度を確認するための検証解析、改良したコードの実現象への適用性を確認するための確証解析、及び検証・確証されたコード(TRACE-95)を用いて人工バリアシステムの化学挙動評価を行い、バリアの緩衝性について検討した。
入矢 桂史郎*; 藤原 靖*; 本橋 賢一*; 中西 正俊*
PNC TJ1449 93-002, 91 Pages, 1993/03
セメント系材料(以下、コンクリートと称す)は、放射性廃棄物の処分において、固化体、緩衝材及びシール材等としての利用が検討されている。本研究は、処分環境下において、コンクリートが長時間の間にどのように変質するかを調べることを目的として、'87年度より調査研究を続けている。本年度は、比較的古いコンクリートのうち、処分環境に近いと思われる構造物について文献調査や聞き取り調査を行い、採取地点を選定した。その中で、深部地下水中で長期間経過した鉱山中のコンクリート構造物から、コアーを採取し、分析・評価を行った。また、促進実験に塩素イオンや硫酸イオンなどにさらされる場合のセメント混合物の変質について、変質速度や反応により生じる最終物質を調査するために10年間の室内試験を開始した。変質モデルを作る前段階として前年度までの分析結果をまとめ、同一の形式で比較・検討を行った。また、コンクリートの化学的変質モデル確証の検討を行うための文献調査を行った。結果をまとめると以下のとおりである。(1)構造物より採取したコアの変質調査について岩着側表面部のコンクリートには、炭酸化による変質は認められなかったが、Ca(OH)2の溶解が生じており、侵食性成分の含有物が少ない地下水によるセメント水和物の溶脱現象を示すデータが得られた。(2)コンクリートの変質に関する室内試験についてNaCl、NaHCO3及びNa2SO4の各溶液に浸漬した試料において、1ヵ月経過時点で各溶液特有の変質が生じていることがわかった。(3)コンクリートの化学変質モデルに関する調査検討海外における処分研究の中で化学変質モデルとして発表されているものは、深部地下水中でセメント水和物がどのように変化し、処分場の化学雰囲気がどのように変化するかをモデル化したものが多い。我が国の研究では、中性化速度や塩素イオンの浸透速度に関するモデル化がある。
北野 光昭
PNC TN8600 92-011, 77 Pages, 1992/12
ベルギーモルにあるSCK/CEN(Studiecentrum voor Kernenergie/Centre d'Etude de l'Energie Nucleaire)に、1990年5月26日から1991年4月30日までの約11ヶ月間、廃棄物管理技術の調査習得を目的として長期出張した。モル研究所では、低レベル廃棄物(イオン交換樹脂、セメント固化体)溶解試験及び実ガラス固化体の浸出試験の研修を受けた。 純水と鉄(Fe/SUB2(SO/SUB4)SUB3)を使用してイオン交換樹脂の溶解試験を行った結果、99.7%以上の溶解率が得られた。また、実ガラス固化体の浸出試験では、COGEMAガラスについてMCC-1法及びMCC-5法による浸出試験を実施した。
万木 正弘*; 斉藤 裕司*; 堀江 芳博*; 藤原 靖*
PNC TJ1449 92-006, 121 Pages, 1992/02
コンクリートは放射性廃棄物の処分において、固化体、緩衝材及びシール材等としての利用が検討されている。本研究は、このような使用条件下におけるコンクリートの長期変質挙動の予測手法の調査を目的として1987年に開始した。昨年までに、コンクリートの長期変質挙動に関する文献調査と、既設構造物から採取したコンクリート試料の変質状態の調査を行ってきた。本年度は、これまでの調査に準拠して、文献調査を継続するとともに、比較的古い既設構造物から採取したコンクリート試料についてその変質状態を調査した。構造物は1956年に建設された(35年経過)東京湾近くにある火力発電所の施設である。また、塩素イオン、重炭酸イオン又は硫酸イオンに晒されるセメント混合物の変質速度や反応の最終物質を調査するための室内実験を開始した。結果をまとめると以下のとおりである。(1)変質挙動の予測手法に関連する文献について・コンクリートの炭酸化のメカニズムや硫酸塩による劣化を検討した文献が収集されたが、コンクリートの長期変質挙動の予測手法や変質の速度に関して直接的に有益な資料は少なかった。(2)実構造物から採取したコアの変質程度について・土との接触部付近のコンクリートは炭酸化による変質が認められ、CaO/SiO/SUB2モル比が内部のコンクリートに比べて減少していた。(3)コンクリートの変質に関する室内試験について・NaCl、NaHCO/SUB3及びNa/SUB2/SO/SUB4の各種溶液中に3ヶ月浸漬した粉砕試料において、すでに変質が開始していることが確認された。
馬場 恒孝; 松本 潤子; 村岡 進
Cement Concrete Research, 22, p.381 - 386, 1992/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.1(Construction & Building Technology)低レベル廃棄物セメント固化体中に含まれる長半減期核種の1つであるCの浸出挙動を解明するために、COが存在しない雰囲気での20C、64日間までの静的浸出実験(MCC-1法)を実施した。試料として、Cを2.810(Bq/g-固化体)で含有させた円柱状セメント固化体を用いた。実験の結果、浸出開始4日目までは固化体表層部に存在するCが水の侵入にともない急速に水中に出、浸出液中C濃度は高くなり、その後20日まではセメントから溶出したCaとの反応で(ヤルサイトの形成)、急激に液中濃度が低下することがわかった。また、20日目以降はpHの増加とともにC濃度は徐々に増加する。これらの浸出挙動は地球化学計算コード、PHREEQEによる計算によっても説明できることがわかった。
下岡 謙司
JAERI-M 89-156, 61 Pages, 1989/10
土壌充填材の持つ放射性核種閉じ込め性能を確認する試験を、「人工バリア安全性実証試験」の一環としてコンクリートピット中で実施した。一つは土壌充填材の表面に放射性水溶液を散布した試験であり、もう一つは、土壌充填材中に放射性廃棄物模擬セメント固化体を埋設した試験である。これらの土壌充填材の表面には、降雨量相当の水が2年間にわたって散布された。これらの試験結果に基づき、コンクリートピット中に充填された土壌中における水分移動及び放射性核種移動の解析を実施した。本報告書は、この実証試験に基づく土壌充填材中での水分移動ならびに放射性核種移動の解析手法およびその解析結果について述べたものである。ここで述べたオイラー・ラグランジェ手法は土壌充填材中のCs、SrおよびCoの移行シミュレーションに有効な方法であることが確認された。
関 晋
JAERI-M 8392, 16 Pages, 1979/08
放射性廃液セメント均一固化体の品質検査のため、実規模固化体用超音波試験装置を使って、ドラム缶詰めセメント均一固化体の超音波伝播速度を測定し、同組成固化体の一軸圧縮強度と対応させた。得られた主な結果は次の通りである。1)ドラム缶詰めセメント均一固化体の超音波伝播速度と同種固化体の一軸圧縮強度との間には、直線関係があった。海洋処分用セメント固化体の一軸圧縮強度として必要な150kg/cm以上の値に対応する超音波伝播速度は、3200m/sec以上であった。2)一軸圧縮強度推定に関して、超音波試験法と反発硬度法との比較を行い、両方式を併用することを提案した。3)ドラム缶詰めセメント固化体内の欠陥がよく見つけられ、欠陥の位置と存在についても知ることができる。
伊藤 彰彦
保健物理, 14(3), p.197 - 201, 1979/00
USEPAが1974年以来実施している放射性廃棄物海洋処分サイトの調査を概観し、回収された廃棄物パッケージの解体調査結果について述べた。
松鶴 秀夫; 和達 嘉樹; 伊藤 彰彦
JAERI-M 6749, 16 Pages, 1976/10
放射性廃棄物の処分法の研究の一環として、放射性廃棄物のセメント固化体からの放射性核種の浸出を検討してきたが、本報では、セメント固化体が破砕した場合の浸出性を求めるべく、粉砕試料からのCsの浸出量はかなり高く、概念30~80%にも達することが明らかとなった。天然ゼオライトを含有せるセメント固化体では、一方、浸出量は極めて低く、1~0.1%程度であり、固化体が破砕した場合においても、この固化体が高い安全性を保持することが明らかとなった。
松鶴 秀夫; 比佐 勇; 大内 康喜; 森山 昇; 和達 嘉樹; 伊藤 彰彦
JAERI-M 6457, 11 Pages, 1976/03
放射性廃棄物セメント固化体の海洋処分にあたって、その安全性を評価するため、放射性核種の浸出量と供試体の表面積-体積比との関係を調べた。CsおよひCoを用いて、表面積-体積比を変化させて浸出比を求めた。その結果、CsおよひCoのいずれの場合も、浸出比と表面積-体積比との関係は比例関係にあり、平面拡散源モデルから導かれる拡散式から予想されるものと一致した。以上に得られた知見に基づいて、IAEAサイズ(4.5cm4.4cm)の供試体を用いて得た浸出挙動から、200lドラム缶大のセメント固化体の浸出挙動の予測する。
関 晋; 大内 康喜; 比佐 勇
JAERI-M 6364, 14 Pages, 1976/01
低レベル放射性廃棄物セメント固化体の海洋処分にあたって、実大規模セメント均一固化体を深海5000mと同等の条件(圧力500kg/cmG、水温2C、水平流速1~2cm/sec)におく実験を行なった。得られた結果は、次のとおりである。1)ドラム缶付きのセメント固化体では、ひび割れなどの破壊状態を認めることはできない。2)ドラム缶容器を具備しない裸のセメント固化体、固化体内部への水の浸入ならびに応力の集中化により、崩れ現象が認められた。
桜井 明; 長岡 幸男; 森下 悟; 和達 嘉樹
日本原子力学会誌, 17(1), p.27 - 30, 1975/01
放射性核種に Cs、CoおよびCeを含む低レベルの放射性汚染海水64mを、凝集沈殿処理装置により二段処理した。第一段処理は、Csの除法を目的としてフェロシアン化銅(Cu〔Fe(CN)〕凝集により、引き続き第二段処理は、CoおよびCeの除去を目的としてアルカリ性にて、リン酸カルシウム(Ca(PO))凝集により行った。その結果、放射性汚染は、第一段処理で最大許容水中濃度の1/10以下以下まで除去され、さらに第二段処理で1/25程度まで除去された。結局、この凝集沈殿二段処理の全除染係数に約10の値を得た。一方、凝集沈殿スラッジは、含水率約90%に減圧脱水され、工学的保管のため200l鋼製容器、すなわちドラム缶内にて、セメントにより固化された。
江村 悟; 松鶴 秀夫; 比佐 勇; 関 晋
JAERI-M 5779, 36 Pages, 1974/07
放射性廃棄物セメント固化体の海洋処分にあたって、その安全性を評価するため、固化体からCsの環境水への浸出性を調べた。浸出試験は、IAEAの暫定指針にもとずいて、BWRおよびPWRの模擬再生濃縮廃液-セメントペーストならびにモルタル固化体を用いて行なった。浸出比は、廃液-セメント比、塩濃度、Cs添加量、骨材添加量、浸出水の種類と温度、養生期間について求めた。浸出試験結果をまとめると、(1)BWRの廃液に対しては、高炉C種セメント、PWRの廃液には普通ポルトランドセメントを用いることによって耐浸出性は向上した。(2)一般に、廃液-セメント比ならびに廃液塩濃度の滅少によって浸出比は低くなった。(3)浸出水温度が低い場合、着生期間が浸出性におよぼす影響は比較的大きい。(4)ゼオライトを添加することによってCsの浸出性は、著るしく改善された。
江村 悟; 阿部 博俊*
原子力工業, 20(1), p.25 - 32, 1974/01
放射性廃棄物の試験的海洋処分に備え、原子力発電所から発生する低レベル廃棄物のセメント固に関する技術開発が進められている。本報では、電力中央研究所が数年 進めてきているセメント固化体の作成技術、品質管理技術、高水圧下の力学的挙動などの成果ならびに原研が実施、計画中のセメント固化体からのRI浸出試験を中心に、乾燥による減容、アスファルト固化、プラスチック固化の開発現状を紹介した。「原子力工業」1月号の特集-「放射性廃棄物処理処分の問題点」5編のうちの1編として依頼されたものである。
堀口 賢一; 佐藤 史紀; 山下 昌昭; 小島 順二; 門田 浩史*; 新 大軌*; 坂井 悦郎*
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低放射性廃棄物処理技術開発施設(LWTF)では、再処理施設より発生する低放射性の廃棄物(廃液, 固体の両者)を処理する計画である。このうち、低放射性の廃液としては、再処理施設より発生する低放射性の廃液を蒸発濃縮した「低放射性濃縮廃液」と、廃溶媒等の固化処理に伴い発生する「リン酸塩廃液」の2種類を対象としている。本報告では、このうち「低放射性濃縮廃液」の処理に用いるセメント固化技術の開発について報告する。低放射性濃縮廃液には環境基準の定められた硝酸性窒素に該当する硝酸塩が大量に含まれる。LWTFでは、その硝酸塩を炭酸塩に転換した廃液をセメント固化することを計画している。本報告では、炭酸塩を含む廃液(炭酸塩廃液)のセメント固化技術開発について、ビーカー試験の結果を報告する。